かしこいぞうとむすめ
2009.4

・  か し こ い ぞ う と む す め  ・




昔々あるところに
とてもかしこいぞうがおりました。
ぞうはひとよりながいきですから、
とてもものしりだったのです。
ぞうのちえをかりようと
4つもやまをこえたそそのさきの
おおきなうみも7つこえて
とおいゆきのおかからもひとがやってくるほどでした。


ぞうにはともだちがおりました。
それはひとりのむすめでした。
むすめはおさないころから
いろいろとゾウのせわをやいてやりました。
ときにはぞうのせなかにのぼって
ふたりでぼんやりそらをながめたりしました。
たくさんのひとをみてきたぞうも
そのむすめのやさしさやおもいやりは
ほんとうにたいせつなたからもののようにおもえました。



やがてむすめはうつくしくせいちょうしました。
それは はるかとおく
5つもかわをこえたところにある
おおごんのおしろにすむおうじさまにもしられるほどでした。



おうじさまは
いちまんのへいしをぎんいろのよろいでかざりたて
うまにはざくろいしのくちわをはませ
じぶんはごくらくちょうのはねを
ひとあしごとにこぼれおちるほど
たくさんぬいつけたうわぎをまとって
むすめにあいにやってきました。


おうじさまのたいれつにでくわすと
むすめはうまのくちわをむしりとりました。
ざくろいしがすきなのか?ときかれると
むすめはなみだをこぼしました。
ぞうのおおきなおおきなみみには
うまもとりもかわいそう。と
むすめのこころのこえがきこえました。



ぞうはそのながいはなで
いちまんのへいをからめとると
5つかわむこうのおしろまで
えいっとほうりなげてしまいました。
ひとりのこされたおうじさまは
ひとあしごとにぬけたはねをひろいながら
せなかをまるめてさっていきました。



おうじがたいさんしてしまうと
いよいよむすめのうわさはひろまりました。
ぞうとたいけつしようと
ちからじまんのかくとうかや
ちえじまんのがくしゃたちが
いっせいにあつまってきました。
ぞうはやっきになって
ぜんいんおいかえしてやろうとはりきりました。



あるひぞうがうですもうのめいじんと
はなであいてをしていたところ
せなかをちくりとさすものがありました。
それは1っぴきのおおきなくまんばちでした。
ふきとばされたあのおうじが
しかえしにしくんでいだのです。

あまりのいたさに、ぞうはつくえごと
めいじんをうみまでほうりなげてしまいました。



それでもいたさはおさまりません。
そこらじゅうにいるひとたちを
ほうりなげおしたおしながら
それでもぞうはとまることができませんでした。
そしてなんとそのあしが
たいせつなむすめのうえへともちあがりました。


いけない
とおもったしゅんかん
ひとりのおとこがむすめをかかえて
ぞうのあしもとをかけぬけました。
おとこはそのままぞうのせなかにかけあがると
ささったままだったはちのはりをぬいてくれました。
ぞうはやっととまることができました。


ぞうはこころからおとこにかんしゃしました。
むすめはそのおとこにこいをしました。
そしておとこもむすめにこいをしました。
ぞうはふたりをけっこんさせてやることにしました。
おいわいにぞうはじぶんのきばから
ひとそろいのすぷーんとふぉーくを
つくっておくりました。
じぶんのいのちとおなじくらいながく
ふたりがいっしょにおいしいしょくじを
たべていけるように
ふちにはにひきのはなくいどりが
しゅくふくのはなをささげていました。




おわり










モドル

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【こぼれ話】
友達のお姉さんが結婚したとき、お祝いの贈り物につけようと思っていた作品。
そのときは絵本にするつもりで、製作期間が足らず断念しました。